大学院卒ニート、しやわせになりたい。

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【パチスロ異能小説】準備編:当たりくじを換金し続けるという人生の余裕。

「それで、どんな能力に決めたんだ?」

窓際にイカフライを置いておいたら、死神スロッカスはすぐ来た。はやすぎ。

「宝くじの狙った当たり番号の中の任意の一桁が分かる能力をくれ。」

「どういうことだ?一億円欲しくないのか?一桁とはどういうことだ?」

スロッカスに、本人が納得する範囲までの宝くじの知識を与えた。例えば、下一桁の一致で当たる7等は当選金額が300円であることなどを。

「くくく。ずいぶんとささやかな願いだな。その能力を得て、確実に獲得できる期待値金額はいくらだ?それに応じて、寿命を決めてやろう。」

「300円だ」。

「くくく。メダル15枚ではないか。いいだろう。1日が6000円で、300円だから……24を20で割って、1.2時間…1時間は60分だから、0.2は…………端数はオマケしてやろう。その能力を発動したら、貴様の寿命から1時間もらう。いいな。」

「ああ。」

「後からの変更は不可だ。まあ、一時間ぽっちで文句は出ないだろうがな」。

「お互いにな。」

「では、貴様がそのちっぽけな能力で、どう稼ぐか、見させてもらう。さらばだ。」

イカフライを食べ終えたスロッカスは、飛び立とうとした。

「待て。能力の詳細に関わることだが、任意の数字の当たりくじを販売員に選ばせる能力にしてくれ。じゃないと、不自然な客ということになり、それは300円の期待値を下げることになる。」

「分かった分かった。バラで買った体裁を保つようにオマケしてやる。」

私が期待値というパチスロ用語を使ったためか、スロッカスは少し嬉しそうにオマケをくれた。

「ありがとう。」

そうして、スロッカスは飛び立っていった。一番最初に思い浮かべたのは、下一桁を当て、300円を300円にするという資金洗浄だった。それも悪くないのかもしれないが、危険が伴うので考え直した。

色々と考えて、最終的に行き着いたのは、下二桁賞を狙うことだった。例えば、下二桁賞が57番だとする。当たり番号が発表される前に、俺の能力で十の位が5であることが分かる。そこで俺は、50~59番を買う。正確には、バラで買っても販売員が俺の意思通りに選ぶ。

結果は、下二桁賞3000円と下一桁賞300円が当たるので、3300円得ることになる。購入に3000円かけているので、収入は300円となる。

この結果が「期待値300円」というのは、馬鹿げた話かもしれないが、少なくともスロッカスは異を唱えなかった。あいつは、パチスロ以外に興味のない死神なのかもしれない。こうして俺は、寿命を一時間消費して、金を10%増やす能力を得た。スロッカスとの約束通り、私がバラで10枚購入しても、下二桁目が一つの数字に固定され、下一桁は連番となった。結果として、3000円が3300円となった。

購入の時は、運命操作により、販売員が10枚中、2枚の当たりくじを選んでいるが、換金時に関しては、スロッカスと話してなかった。必ず、2枚3300円単位で当たり宝くじを持ち込むヤツは不審に思われるかもしれない。当たりくじをメルカリで転売するようなことも考えたが、余計に怪しまれると思いとどまった。

仮に不審に思われたとしても、なんらかの法律をおかしている訳ではない。だが、私には想像もできないような、国家機関などに逮捕されるのじゃないか?と思ったりもした。

そこで私は、なるべく分散するように換金を行った。宝くじ売り場(チャンスセンターと呼ぶらしい)や、みずほ銀行を回ったりした。最初の頃はビクビクしながら、3300円ごとに、換金する日と場所を変えていた。チャンスセンターの販売員が前回の換金と同じ日だった場合は、日を改めたりした。

結局のところ、3300円の換金で逮捕されることはなかったので、もしかしたら、スロッカスが能力にオマケをくれていたのかもしれない。後に知ったことだが、私は業界関係者に「3300円おじさん」と呼ばれていたらしい。

ちなみに、俺は下二桁賞と下一桁賞を当てていたわけだが、時々、他の賞と重複当選したこともあった。ジャグラーで言うと、チェリーとボーナスの同時当選のようなものだろうか。重複することは希ではあったが、次回の宝くじ購入の資金とさせてもらった。

サマージャンボ宝くじの発売があれば、寿命1時間と引き換えに、資金を10%増やす能力を得た。宝くじだけで生きていくことも可能だし、この能力と引き換えに、寿命を一年くらいは死神に献上しても良いと思っている。一年は何時間だっけ。24時間かける365日。うるう年なら366日。

能力を得て、俺が最初に始めたことは、アルバイトだった。最初の宝くじの購入資金を稼ぐためであった。購入枚数に縛りはないのだから、たくさん買った方が良い。まず、試しにバラで10枚買ってみると、二桁目が同一で、一桁目が連番となっていたので、能力は授かっていたのは間違いないらしい。

後は、金が金を生み出していく訳だが、アルバイトは続けた。児童養護施設の宿直の仕事が、案外、やりがいがあったこともあるし、その職場は私のような半端者を受け入れてくれる空気があった。

また、本を読んだり、オンラインサロンに加入して、自己投資を続け、オンラインサロンを開設したりもした。宝くじの二桁目を教えてあげる内容にしようかと思ったが、破綻の始まりになりうる気がして、やめておいた。株式投資であるとか、You Tubeによる情報発信であるとか、ビジネスであるとか、普通の内容だ。料金は月3300円で、わいわいやっている。

あと、スロッカスへの感謝ではないが、パチスロも覚えた。パチンコは、若い頃にのめり込んだことがある。職業訓練校からの帰りは、毎日、タバコを吸いながら1パチを打っていた。パチスロも覚えてみると、その楽しさが分かった。パチスロの中では、ジャグラーが好きだ。ファンキージャグラーも興奮するが、マイジャグラーのペカりには侘び寂びを感じる。

「パチスロを覚えたらパチンコなんて馬鹿らしくなる。」

全然尊敬してなかった先輩の言葉を思い出した。俺の異能の期待値は110%。マイジャグラーシリーズの設定6と同じくらいであろうか。

厳密に言うと、マイジャグラーの6は期待値110%ではなくて、機械割が110%であり、期待値と機械割は別の概念ではあるが、「期待値」という言葉が好きだ。前を向いている気がする。

ジャグラーがペカる瞬間、生命も輝いている。ありがとう北電子。


完。

関連動画。

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おわりに。

もっと、ブクマ集まるもんだと思ったけど、このブログがオワコンであることだけが、証明された…。