たいていの兄弟の例に漏れず、長男の僕は叱られてばかりで、弟には両親は甘かった。
それはまあいいんだけど、両親は僕にこう言ったんだよ。
「お前は人に「好き」と言われることは才能は無いから、代わりに「ありがとう」と言われるようになりなさい。」
「大きな声を出すことですっきりする人もいるんだから、叱られてばかりのお前にも、価値があるんだよ」
今になって考えなおすと、小学生に仏の教えを説くくらい無茶な話だと思う。
子供の頃にかけられた呪い。遅効性に精神を蝕む。
多分、こういう呪いを受けている人は、沢山いると思う。子どもの頃じゃあなくても、成人してからの人間関係のなかで…。
私は、自らが作り出した呪いで、もがき苦しんでいる感じはあるけど、親からの呪いは…ないことは、ないな…。うん。
分相応なんて言葉もあるけど、突出しない、自信を持たないことが、平穏に繋がる…という考えがあるのだろうけど…結局、呪いと言う名前の虐待だよなぁ…。
もこみち。
