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大学院卒ニート、しやわせになりたい。

働かないで、アフィリエイトとか、ユーチューバーで幸せになりたいです。

第4話「殺すぞ」ひじをついて飯を食うな!老いた父は鎖で腕を吊すように僕に命じた。

小説 雑記

殺すぞ。

慣れというのは恐ろしいと思った。例えば、二十五歳の時に思い立って、朝のジョギングを始めた人がいたとする。五年ほど毎朝ジョギングを続けていたが、ある日、ふと、ジョギングを忘れて、その日からその習慣がなくなることがあるとする。単純に、ジョギングを続けた期間と、やってなかった期間を比べたら、やってない期間の方が長いから、やってない期間の方に引っ張られることだってあるのだと思う。

油断もあったのじゃないかと思う。茶の間の真ん中に鎖がある日常。毎日の手錠と施錠。片腕をブラブラしながら待つ父親。その日は、近所の一〇〇円均一のパン屋で買ってきた惣菜パンと残り物の夕飯だった。いつものように、紐をひっぱり、程よい高さに調節して、僕たちはわいわいとお喋りなんかをしながら、パンを食べていた。しかし、手錠が緩んでいたのか、鍵がかかってなかったのか、天井の滑車が緩んだのか、原因は複合的かもしれないが、その時に最大の悲劇が起きた。

気がついたら僕は1リットルの牛乳パックを障子投げつけていたみたいで、目の前の障子は破れ、白い液体、牛乳がポタポタと溢れていた。母は、パンを乗せていた白い皿を投げたようだ。そして、父親はパン切り包丁を自分の首にあてがい一気に引こうとしていた。ギザギザのパン切り包丁で人間の肉が切られたら、その切り口はどのような感じになるだろうか。僕は、るろうに剣心というマンガのどこかのシーンを連想していた。

全くもって、運が良かったのだと思う。母が投げた皿が、その意図はなかったようだが、パン切り包丁の柄にぶつかり、包丁を弾いたようだ。本当に偶然だけど、行き場を失ったパン切り包丁は、フランスパンに刺さっていた。皿は柄を弾いた後に畳に転がったが、その途中で父の顔も強打したようで、鼻血が出ていた。更には、差し歯が抜けたらしい。まるで笑い話のような出来事だ。

僕たち三人は、ハハハと笑った。しかし、もしかしたら、この日の午後には一人の死亡者と二人の犯罪者が生まれていたと考えると、笑える話ではないのかもしれない。念のため、滑車も手錠も、鍵も鍵穴も、紐も点検したが、一番緩んでいたのは僕らの意識だったのかもしれない。

過去ログ。

「今日から食事をする時は、オレの腕を天井から吊るして欲しい。」

ガシャリと茶の間の食卓の上に鎖を置いた後に、父は家族にそう伝えた。何のことか分からないで、僕達が戸惑っていると、父は黙ったまま、仕事部屋から脚立を持ってきて、茶の間の天井に簡単な工事を始めた。

ひじをついて飯を食うな!老いた父は鎖で腕を吊すように僕に命じた・第1話「コドモの恨み」。 - 団劇スデメキルヤ伝外超

仕事柄、朝早く出かける父は午後の4時くらいには帰ってきて、ほとんど毎日、家族揃って晩御飯を食べる。食卓につくと、父は片方の腕は自分で手錠をつけ、もう片方は配膳を終えた母親がつける。

第2話「虐待のある日常」ひじをついて飯を食うな!老いた父は鎖で腕を吊すように僕に命じた。 - 団劇スデメキルヤ伝外超

母親に呼ばれて、Amazonからの荷物を受け取る。注文していた木刀が届いた。長い物をインターネット通販で購入したのは初めてで、「ネジ一本が段ボールに入って送られてきた」みたいなネタを読んだことあるけど、だから、段ボールで届くのかな?と思ったら、専用の筒のようなものに入って届いた。

第3話「Amazonで木刀を買ったのは、あくまで防犯目的なんです」ひじをついて飯を食うな!老いた父は鎖で腕を吊すように僕に命じた。 - 団劇スデメキルヤ伝外超