ジャンプ部屋おじさんです。最近、松井優征氏の漫画講義、連載術の記事が話題になっておりましたが、その記事の観点で考えると、現在連載中の「アイテルシー」という作品が、ぶっちぎりで連載のための連載術を突っ走っていると思いました。
現在8話まで連載されておりますが、7話は2巻またぎという7話らしい7話だしたし、8話は物語のショッキングさを優先しまくった内容でした。
アイテルシー(稲岡和佐)は題材のショッキングさ。
「犯罪者のことを愛してしまう女刑事」というワンアイデアと言いますか、ショッキングな設定で物語が進行しております。その女刑事が過去に愛した、自身を誘拐した誘拐犯というのが、物語の縦ラインを担っております。
8話まで読んだ読者は、未だに謎の誘拐犯と、鏡野ヒカルの関係性は、想像しだしているのじゃないか?と。私は、想像の通りだと思っています。
ヒキの連続という連載術だけで突っ走る。
とにかく「次回が気になる」ということだけに特化して物語が組まれているのじゃないか?と。8話の内容がショッキングでしたし、9話はどうなんだよ!?という感じでした。
作品人気や、キャラ人気がよくわからない現在においては、「とにかくヒキに特化した」という印象が残ります。松井優征氏が語る連載術に、驚くほど適合しているのじゃないか、と。
以下からは、8話の重大なネタバレにも触れます。
名作(迷作)となりうる。
8話を読んで思ったのは、この回で思いっきり、人気が分水嶺になるんじゃないかと。ただ、打ち切り可能性分からんです。
「このキャラをここで殺すか!?すごい!」と思うと同時に、「読者に人気が定着する前に人気がありそうなキャラが死ぬのは暴挙!」と思いました。作品注目度が、いかほどか分からんですが、注目度が集まりきってないうちに、ショッキング展開になると、もったない気もしますし、そのキャラが好きだった人は、ショックの方が、勝るのじゃないか?と。
ただ、すべてが上手く噛み合ったら、すごい連載になるのじゃないか?と。ツイッターで検索してみると、賛否両論で「ピ」の方が多い感じでした。やっぱし、読者の感情と、物語のスピードが噛み合ってない。
電波。
私は、「作者がキャラ殺すときの、血の汗のような葛藤は、絵で読者に伝わる」と信じていまして、その血の葛藤を8話から、あんまり感じなかったので、やばいかもしれん…とは、思いました。