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【松井優征の仕掛ける毒】逃げ上手の若君の3話のバトル回は前フリのなせる技【ジャンプ部屋おじさん】

ジャンプ部屋おじさんです。土日はパチスロおじさんです。今回も、3話のそれぞれページを分析(感想)して、打ち切られない漫画術を学びましょう。

逃げ上手の若君の3話のバトル回は前フリのなせる技。

今までになかった題材の1話、谷回にさせない努力と強力なヒキの2話を経て、3話はバトル回です。3話でバトルするための準備ってものが、確実にされてます。

1ページ目。

鬼畜伯父の攻撃からスタート。強烈な印象的なはじまり。1・2話を読んでない人に向けた「あらすじ」などは行わない。

最近は、ジャンプ+で1話は無料掲載されたりするので、初期の話を知らない人への配慮ってのは、漫画の中では不要なのかも?

2・3ページ目。

扉絵と味方キャラの援護。ちなみに、味方キャラの名前は、この時点では不明。「この子らの名前は何?」というのは、必ずしも明示されてなくても良いのかも?

4・5ページ目。

鬼畜伯父の強さ。バトル漫画の最初の敵の描き方は大事。主人公の強みが「逃げ」であり、本人も味方も子どもというのは、そこそこの強さの敵であっても、強大に映る。

「強そうだけど、展開的にこんな奴には負けんよね?」と読者は穿った味方をしがちだけど、「勝つとしたらどう勝つか?」にスライドさせている(気がする)。

6・7ページ目。

鬼畜伯父の地獄の鬼畜回想シーン。何度読んでいても辛い。松井優征作品に含まれる毒を感じる。凄惨なシーンを描けば、それが人気につながるか?と言えば、そうでない。

鬼畜伯父の鬼畜の所業が、鬼畜本人にとって有効な手段であり、(嫌だけど)合理的に思えないといけない。「乱世」という言葉が、鬼畜伯父のフォローともなっていると思える。

ちなみに、トーキョー忍スクワッド、ぼくらの血盟という2作品では「子どもの命が奪われる」という悲惨なシーンを描いているけど、それらは全く人気につながらなかったと思う。なぜなら、ショッキングだけど、読者(私)が納得できる合理性と、物語の必要性を感じなかったから。

エグいシーンを描くなら、読者を納得させるモノがないと、ただ、読んでてキツくなるだけの誰得シーンとなりうる。

8・9ページ目。

諏訪頼重の登場。仲間キャラ二人に、主人公を観察させることにより、主人公の戦い方というのを解説する。作中のキャラが得た答えと、読者が受け取るモノが合致する(はず)。これ大事。

10・11ページ目。

主人公の「逃げ上手」の実戦における解説。ただ逃げる解説じゃあなくて、「ごく普通の人間」という切り口に、センスが光る。

作家性、人間性による部分も大きいけど、読者を引きつける情報の出す順番が計算されている(と思う)。

12・13ページ目。

主人公の逃げ能力以外の掘り下げ。最近のジャンプ主人公のトレンドは「毎週会いたくなる良い奴」って感じらしく、そこに共感や応援の感情ってのが、作品人気にもつながる。

方法としては露骨だけど、雫、狐次郎、亜也子という子どもキャラが、大人の諏訪頼重から聞かされてるってのは、説明に説得力を足している。

多分、狐次郎本人が「なんて魅力的な若君だ!」と自分から発するより、説得力と奥行きが出る。似た方法論は、ハイキュー!!でも行われている。選手達の目線だけじゃなくて、試合を観戦しているOBやバレー経験者、他校の監督、コーチからの視点や意見が効果的に使われている。

人物の評価などを、ただの説明にしない方法論などは大事。

14・15ページ目。

主人公は、逃げ上手だけど、攻撃はからっきし「ネヌョロォン」という書き文字に、「ネウロ」が隠れている気がする。

鬼畜伯父による、主人公の逃げ上手に対する評価。悪い意味での適応能力が描かれた敵が言うから、主人公の恐ろしさが際立つ。

16・17ページ目。

味方の援護。子どもキャラ二人の強さが再び描かれる。急に強くなったのではなくて、「主君を護る」というタスクが外されたから。

松井優征氏は、めちゃくちゃ絵柄で見せるタイプじゃあないけど、バトル表現においては、「誰が何をしてるか?」が、最低限分かるようになっている。

ワールドトリガーの作者、葦原大介氏が話されていたのは「分からない」というのは、「面白くない」というより下の評価らしい。

18・19ページ目。

逃げ上手の若君の最初の攻撃。このシーンに至るまでに、主人公への応援の感情と、鬼畜伯父への憎しみが蓄積されていて、飛び上がる主人公の様子には、カタルシスさえある。

このシーンのために、鬼畜が甥っ子に行った謀反が詳細に描かれていたと言える。残虐なシーンで、読者の心をノックした理由が、同じ週に回収される。

この感情は、週をまたがない方が良いと思われる。

20・21ページ目。

最大限のカタルシスが描かれる。ここに関しては、後述します。

ナタで雑木を払うシーン転換が、映像化も意識されてそう。バトルの後の余韻など。少し時間経過を挟む技。直後を描くのは、さすがに、キツいかもしれない。

22・23ページ目。

諏訪頼重による、勝つための心意気、ロードマップなど。ここにたどり着くまでに、諏訪の言葉に説得力が生まれる工夫がされている。

そして、主人公の決意。シリアスシーンの後に、ちょっとしたギャグ。

24・25ページ目。

ギャグっぽい様子を経て、いよいよ鎌倉を脱出して新展開を予感させるヒキ。弓矢という今まで出てないアイテムを出すことで、「来週は弓の稽古か?」とか、「逃げ上手だから、長距離狙撃型の主人公になるのか?」など、想像が広がる。

鬼畜伯父とのバトルに2、3話つかったりしないで、4話で新展開になるってのも、良いヒキと言える。

以下は、分析ではなく、純粋な感想。ネタバレ注意でおながいします。

松井優征の仕掛ける毒。

鬼畜伯父の鬼畜回想シーンが毒かと思われるけど、一番の毒は、敵が鬼畜武将と言えど、「8歳の少年が殺人を行うことに対して、読者が応援の心境に至っている」という部分だと思う。

時代が乱世なのだから、敵を打ち取るってのは当然なのだけど、少年主人公を応援したいという気持ちは、現代の読者が思うことであって、その延長線上に、カタルシス溢れる敵討ちのシーンが描かれる。

鬼滅の刃の主人公らは、鬼という元人間を殺すけど、北条時行が殺すのは、人間である。Twitterなどの感想などは調べてないけど「子どもに人殺しさせるな!」という炎上が私の知る限り起きてないってのが、松井優征氏のおそろしくスゴい部分だと思える。

これは、打ち切られない連載術とは言い難く、作家性による部分は大きいと思うけど、いろいろな作品に触れたり、思考を沢山行えば、訓練されるモノじゃないかと思う。

この回の感想など。

3話「仇討1333」

キツい回想があった。邦時を売った経緯なわけだけど、すでに斬首のシーンも描かれていて、鬼畜№1武将が敵方に売ったという話は出ていたので、その回想具体性いる?と思ったけど、今回のクライマックスシーンには、必要な表現だったように思われます。
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長野県に行き、諏訪頼重の周辺人物が描かれるでしょう。そもそも、時行に関する歴史書がどれくらい残っているか分からないから、作者の創作の部分もあるかも?逃げながら効率的に攻撃するために、弓の稽古開始されると見た。
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