「うへ!これは不味いです!ものすごい不味さと言ってもいい。これは何を使っているのですか?」
「これは、島の名物、ガンマを使った煮込みです。」
「ガンマ、初めて聞く食材です。」
「そうですね。あまり量が取れないので、流通はされないですね。」
「へえ、じゃあ、この不味い汁物、名前はなんて?」
「そのまんまです。ガンマ汁です。」
「へぇ、食べるのにガマンがいりそうですね。」
「でも、すごくよく出るんですよ。」
「はぁ、珍味ってヤツですか。1日にどれぐらいでるんですか?」
「そうですね。すごく出ますよ。量は計ったことないんで分からないですが。」
「む?伝票とか、どんぶり勘定なんですか?」
「え?いや、手書きですが、ちゃんと伝票つけてますけど?」
「ん?でも何杯出たかわからないんですか?」
「え?」
「え?」
「あー…いや、そうじゃないですね。メニューとして出る量は1日10とか多くて30ですけど、そのガンマ汁を食べた結果として、出るんですよ。」
「ああ、生姜を食べると温まるみたいな。」
「そうですそうです。すごく出ますよ。普通の3倍は出るんじゃないかな。」
「3倍も!?」
「ええ。味は不味いですけど、滋養があるんでしょうねえ。だから、この島じゃジジもババも元気なんですよ。ギネスも沢山出てますし。」
「ほー…そんなに出るんですか。」
「出ます、出ます。もう出っぱなし。骨髄も出ちゃうんじゃないか?って思えるほどに。」
「なんと…。」
「だから、まあ、そのあたり込みで病みつきになってる人は多いみたいですね。」
「なるほど…。あ、おかわりはできますか?」
「ありますよ。どうぞどうぞ。」
「あ、その前にトイレってどこですか?」
「ああ、あっちです。」
「いやー、それを聞いたら、通っちゃいそうだなー。」
「民宿でも出しているので、よかったら泊まりででも。温泉もありますしね。ラジウム温泉。」
※おちはありません。