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アクタージュ原作者逮捕に関してジャンプ感想者が一言言っておくか。作品に罪はないって考えが嫌いです。

連関するはてなブックマークコメントを読んでいると、「被害者のことじゃなくて、漫画の先行きを心配するブコメばかりで吐きそう」みたいなコメントもありますが、この記事では、作品に関することだけを書きます。

アクタージュ原作者逮捕。

女子中学生を狙った痴漢で逮捕されたようです。おそらく、アクタージュも連載終了で、舞台化企画、アニメ化も全て終了で、主人公夜凪景が関わった広告企画なども全部終了でしょう。

舞台化企画とかは、すでにオーディションの一次募集が終わったみたいなので、演目を変えて継続する可能性もあるかもしれないけど、多分、終了するでしょう。物語の主人公は女子高生で、現実で痴漢の被害にあったのが中学生ってのは、シャレにならないでしょう。

ジャンプ感想者が一言。

私は、1994年頃からジャンプを捨ててないくらいのジャンプ感想男ですが、アクタージュが終了することに、そこまで精神的ダメージはないです。夜凪景の物語の結末を見れないのは残念だと思いますが、まー、しゃーないな、と。物語の結末を見れないってのは、打ち切りで慣れてますから。

ただ、アクタージュは演劇が多く関わる物語で、WJの歴史の中で、演劇がメインテーマではなかった「ボンボン坂高校演劇部」などの作品はありましたけど、主要な内容に演劇が多く関わる作品は(たぶん)なかったので、それがこんな形で終わるのは残念です。

演劇関係者として一言言っておくか。

私は、他の演劇関係者とアクタージュの話はほとんどしたことありません。なぜなら、演劇関係者はひねくれ者が多いので、「面白いよね!」と話をふっても、「でもねえ」とか言って、批判的な内容に触れそうな気がするからです。

アクタージュの中で語られる演劇論、人間論、演じることの喜び、人間の描き方は、納得できる部分が多く。「俺、演劇に関わって良かったなあ」と思えることも多かったです。読切作品のタイトルからして、原作者は、映像に関する専門学校か、芸大などの映像学科出身なのじゃないか?と思ってました。

ただ、今回の事件を受けて、作品内で語られる演劇に関わる内容が、経験を経て原作者が辿り着いた考えなのか、どこかで学んだことや、テキストのコピペなのか、疑わしく思えました。演劇企画に関して、演出家との対談内容は、読ませる内容だったのですが、「痴漢するようなヤツが人を感動させる内容を書けるの?」という考えが頭によぎります。

これは、アーティストと麻薬との関係に似ているのかもしれません。ぶっとんだヤツが、ぶっとんだ作品を作るってのはあるかもしれないですが、私はそういうのに否定的です。ぶっとんだ部分が世の中に明るみに出てガッカリするなら、ぶっとんでない人が作った普通の作品の方が、私は良いです。

作品に罪はないって考えが嫌いです。

漫画に関わらず、作り手側に犯罪者が出て、作品の存続や公開の継続が議論になる時に、「作品に罪はない」って考えが出てきますが、私は嫌いです。それは、昭和以前の芸人が「芸の肥やし」とか言って、女遊びや浮気を肯定していたというのに近いものを感じるからでしょうか。

今回のアクタージュ原作者のことを考えてみると、原作者の人間性にマネージメントする側のジャンプ編集部が気付なかった部分と、自分の行動に関わるリスク計算ができない原作者には、確実に罪があり、それらを土台の上に作品があるのならば、「作品に罪はない」とは言い難いです。痴漢をすることで発生する社会的リスク、漫画、舞台、アニメが全て頓挫するリスクを計算できなかった原作者の思考という部分も、考えるべき部分もあると思いますが、そのあたりは、精神科医の方に任せたいと思います。

作品と作者。

「作品に罪はない」というのは、作品と作者の人間性の繋がりを尊重しないという考えでしょうか。私は、作者の人間性も漫画を読む上で大切にしています。コミックスのオマケコーナーで、「このコマは泣きながら描きました」とか書いてあって、読んでる俺も泣いたりして、作者と気持ちを共有できてるな…と思います。

演劇をやっていると、社会的なメッセージを持っている内容に触れることもありますが、そのメッセージの部分に問題意識を持ってないヤツも、巧いっぽく演じることはできます。プロの人々の心境はわからないですし、技術だけでやっている人も多いと思いますが、演じる人の心と、キャラクターの心、演劇のテーマが重なった時に、最大限の光を発します。原爆とか、第二次世界大戦などに全く関心のない人が、戦争に関わる内容の演劇をやってたりすると、表面上よくできた作品だったとしても、なんだかなーと思います。

アクタージュという作品。

主人公の夜凪景は「映画監督に才能を見いだされた女子高生」と紹介されることが多いですが、夜凪景の根底にあるのは、貧困です。父親は蒸発して、母親は他界して、母親が生きている頃に、父親は浮気をしていて、しかも蒸発したから、金銭的にも困窮していた。弟と妹の面倒も見ないといけないから、進学などの選択肢もなくて、学校では友達もいなくて、世界が閉ざされていた。

そんな彼女が、演劇と出会い、救われ、世界が広がっていく物語が、アクタージュだと思います。そんな物語の原作者が痴漢で逮捕ってのは、やはり、シャレにならないのだと思います。

夜凪景は、高校生です。原作者自身が作品世界と現実を分けて考える人なのか、あるいは、前述したような社会的リスクを計算できない人なのかは分かりませんが、主人公と同世代の女の子。舞台化企画があるから、オーディションに参加した人と同世代の女の子を一方的に辱めていたってのは、やはり、シャレにならないです。アクタージュを読み返して、作品に感動するでしょうけど、頭の端っこで「これ書いたヤツは痴漢したんだな」と思うでしょう。

私は、作品と作者の人間性の連関は重視しています。今後、何があっても、原作者が痴漢で逮捕というのはチラつくと思います。また、それは被害者となった女子中学生も同じなわけで、作品が存続したり、舞台化したり、アニメ化したり、「アクタージュ」という作品名が世の中に出る度に、痴漢被害の事実が思い出されるわけで、被害者の心のケアのためにも、アクタージュ関連は全て終了すべきだと思います。

夜凪景の物語を最後まで見れなかったのは残念ではあります。蒸発した父親が、どんなクソ野郎なのか、作品的にフォローが入るのか、そのあたりも気になるところではありましたが。