「どうして蒲鉾板でスカイツリーを作られたのですか?」
「最初に作ろうと思ったキッカケは、テレビを見たことですね。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「テレビで?」
「ええ、着工の様子をやってて、孫と一緒に見てましたね。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「お孫さんと一緒に。では、完成前だったのですね。」
「そうですねぇ、その、予想図が出てましたからねぇ。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「なるほど。それで、そのあと、図面などを手に入れられた訳ですか。」
「そうですね、そのあたりのアイティー関係は、嫁にやってもらいました。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「あ、パソコンで探されたんですね。」
「だう、ダウンロードがなんとかやら。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「なるほど。実際に、苦労されたところってありますか?」
「そうですね。まず、材料を集めるのが大変でしたね。連れ合いが亡くなって1人なもので。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「…お1人で蒲鉾を食べられたのですね。」
「そうですね。蒲鉾が好きだったのでね、一緒に食べてくれたでしょうね、生きていれば。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「おくさ…。」
「あえ!?」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「あ、いや…。その他には苦労されたところありますか?」
「そうですねぇ。ともかく材料の削りだしですね。三角のが円になるでしょう。そこが難しかったですね。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)
「なるほど。繊細な作業が。あ、すみません。お名前をお聞きしてませんでした。最後に、お名前を教えていただけますか?」
「アキラです。」
(この人、おじいちゃんかな?あ、おばあちゃんかな?)