Q.まず、最初に。スーパーコンピューター『鯨(げい)』の世界一おめでとうございます。
A.ありがとうございます。長年の夢がようやく叶いました。
Q.それでは、それを記念して、いくつか質問させて頂きます。
A.お願いします。
Q.まず、最初ですが、穂茂田先生は、どうしてコンピューター技師を志されたのですか?
A.小さい頃から、ファミコンとかが好きだったってのがあります。
Q.ファミコン。ああ、プレステですね?
A.え?ああ、まあ、そうですね。ゲームが好きだったんです。
Q.なるほど。そこから、プログラミングなどに興味を持たれたと。
A.ええ。それもありますが、スーパーコンピューターを志したのは、一冊の小説なんですよ。
Q.小説。
A.ええ。SF小説でした。
Q.どんな内容の?
A.まあ、ファンタジーの要素が強いのですが、人類が円周率の最後にたどり着いたら、上位世界の存在、神が現れる、そんな内容でした。
Q.なるほど。
A.まあ、それを読んで……子供の頃の夢ですね。じゃあ、自分が数字の果て、宇宙の果てに挑戦してやろうと!そんな感じです。
Q.その小説のタイトルって覚えてられますか?
A.勿論。『オレの妹のスパコンが世界の謎を解き明かせない訳ない』です。
Q.あ、ああ。そのタイトル、知ってます。有名ですよね。作者はたしか…。
A.鎌田堀太郎先生です。いや、ご存知でしたか。
Q.ええ。ちょっと前に有名になってました。その作者、脱法ハーブで捕まりましたよね。
A.え。
Q.あ、いや、今は危険ドラッグでしたっけ。
A.あ、まあ、そうですね。名称変更されて。
Q.ひどい事件でしたよ。商店街を運転している時に吸って、電柱にアクセル全開で、電柱はバッキバキで、車はグッチャグチャ。まあ、死傷者が出なかったのが、幸いですよね。
A.あ、ああ。
Q.勿論、速攻で逮捕ですね。過去の作品は全て自主回収されて、デジタル版の販売も中止されたとか。逆に回収から零れた中古本はプレミアになっているみたいですよ。穂茂田先生も、もしお持ちでしたら、大切にとっておいたら、プレミア出るかも知れませんよ。
A.え、ええ。今の私があるのは、あの小説があるからですからね。
Q.実は、私も、事件を受けて、販売が中止される前に読んでみたのですが、内容が難しくて、くすりとも笑いませんでしたね。危険ドラッグだけに。なんちって。
A.……。