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プロジェクトFX~子ども達を歯茎血から救いたい…戦後、噛んでも歯茎から血が出ないリンゴを作りだした男達。

トピック「短編小説の集い」について
【第0回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - Novel Cluster 's on the Star!
青森県産 りんご お徳用 ふじ りんご 5kg 有袋栽培品種 [訳あり]

アジアに大量破壊兵器『Ringo』が存在するか否か、ほぼ水掛け論で開始した第三次大戦は全世界に深い爪あとを残した。皮肉なことに、水掛け論の戦争は新型爆弾『Mizunasu』により集結した。またも、敗戦国となった我が国は本土爆撃により国土に甚大な被害をもたらしたが、急速な復興を遂げていた。欧米(よね)の人間からすると、我が国の飛行場に降り立つと、糠臭いらしい。しかし、新型爆弾により空気が徹底的に汚染され、その匂いは糠というよりは、生のイカ、あるいは修正液に近くなってしまった。

米国最高司令官、BBQのリンゴォ・ロードアゲインが我が国に降り立ち最初に発した言葉は「イカ臭せ!もう帰りたい!」だった。そのような屈辱にも、我々は耐えなければいけなかった。そんな社会の片隅で、西暦200200年。新たなプロジェクトが開始されようとしていた。

子ども達を歯茎血から救いたい……。

爆弾による国土の空気汚染は直ちに甚大な被害をもたらした訳じゃあないが、戦後に生まれた子どもたちの多くが、バラ科リンゴ属の落葉高木樹の果実である林檎をかじると、歯茎から血を出した。これは、戦前には見られなかった症状であり、敗戦国でありながらも、時の首相、椎名倫吾は米国との交渉の度に健康被害を訴えた。しかし、リンゴォ・ロードアゲインは「科学的な相関はない。」と意見を突っぱねるばかりだった。これが、米(よね)国社会という男の社会を生き抜いてきた男の哲学なのであろうか……。椎名首相は米国に支援を求め続けていたが、その一方で独自に動き出そうとする男達がいた。

プロジェクトFX。

それは、慶應義熟大学農学部の男たちだった。米国からの支援は期待できない。では、我々が子どもたちの歯茎を守りたい。彼らが注目したのは、現代の子どもたちには、硬すぎる林檎の硬度であった。噛んでも歯茎から血が出ない林檎を作りたい。それが、スローガンとなった。俺達は、林檎で子どもたちの星となる。プロジェクト『リンゴ・スター』が開始された。

当初は、林檎の収穫時期を遅らせて、よく熟した状態で食べればいいのではないか?という考えていた。その浅はかな考えのもとプロジェクトは開始した。しかし、その考えは、一ヶ月を待たずして変更しなければいけなくなった。食中毒である。

それによりプロジェクトは大幅に見直されることとなった。そんなつけ焼き刃の技術ではダメだ。抜根的な解決が必要である。慶應義熟大学農学部のバイオテクノロジー学科や、理学部も巻き込んだ一大プロジェクトとなったのである。

男たちには勝算があった。それは、我が国に蓄積されたSMAP細胞などを代表とするバイオテクノロジー技術であった。鮮度はそのままで、そして、柔らかく、子どもが噛んでも歯茎から血が出ない林檎を作りたい。それは、農業技術に優れる我が国が誇る品種改良によって行えるという革新があった。しかし、プロジェクトは次なる大きな問題に直面した。

「どうする……?もう、金がないよ……。」

開発が進み、後は、試験用の苗を植える段階に来ていた時に唐突に資金が尽きた。そもそも、苗から収穫までに10年を要する林檎栽培において、資金切れは致命的な問題である。プロジェクト内を徹底的に調べあげたところ、それはプロジェクトリーダーによる使い込みだったと発覚した。

「限定版だったんだ……。仕方、なかったんだ……。」

涙の粛正が行われた。しかし、プロジェクトは完璧に頓挫した。誰もがそう思った時に、慶應義熟大学経済研究会が、歯茎から血が出ない林檎プロジェクト『リンゴ・スター』の扉を叩いたのだった。

「安心しろ!足りない金はFXで増やしてやる!安心しろ!レバレッジ!」

男たちには、それは救いの声のように思えた。実際、慶應義熟大学経済研究会のメンバーは目を見張るほどの敏腕で、尽きかけていた資金を100倍、1000倍にも増やしていった。

「オレ、林檎をやめて、FXでやっていきたいよ……。」

涙の粛正が行われた。FXにより膨れ上がった資金は、多くの悲しみと別れも生み出したが、潤沢な資金により、ついにプロジェクトは完了した。甘く、柔らかく、皮も薄い、柔らかい林檎。果実の構造が房になったことで、実の量も増えた。また、栄養分が乏しい土地で、少ない水量でも収量を確保することが可能となった。

噛んでも血が出ない奇跡の林檎。それは、多くの子どもを失血死から救ったのであった。

山梨県産 種なし ピオーネ 大粒熟成 1kg 以上 2房入り

リンゴォ・ロードアゲインの贈り物。

新型爆弾による大気汚染をBBQが正式に認め、我が国の国土の清浄化を米国との共同事業として執り行うことをリンゴォ・ロードアゲインは認めた。また、米国の新型薬剤などの提供も開始された。それのより、普通の林檎を食べても、歯茎から血が出ない子どもが増え始めた。

薬用シュミテクト 歯周病ケア 90g 【医薬部外品】

清浄化と薬。そのためにプロジェクト『リンゴ・スター』が作った新型林檎は、生食用で食べられることは減り、余った分は醸造酒などの原料として使われることとなった。男たちの夢、星は一度は大きく瞬いたが、また闇の中に消えていったのである。赤や白の果実酒を見かけたら、慶應義熟大学経済研究会とプロジェクト『リンゴ・スター』のことを思い出してあげて下さい。

参考文献。

ピューと吹く!ジャガー モノクロ版 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)