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ルックバック(藤本タツキ)のドアの世界線移動、あるいは運命分岐の私なりの解釈。

絶賛中の藤本タツキ作の読切『ルックバック』。絶賛が最初に来て、そうでもねえよ!の感想の感想が来て、続いて場外乱闘が起きている感じ、まさに話題性という感じでしょう。

様々な意見や感想が飛び交っている中で、後半の展開が…。

  1. 並行世界が描かれた。
  2. 主人公・藤野の願望が描かれた。

と、いろいろな意見が出ています。作品の中で、どちらかを断定する表現は出てこないので、読んだ人が感じたものが正しいと言いますか、意図的に解釈の幅が設けられているように思えます。

具体的には、「主人公・藤野が破いた四コマ漫画の1コマ目がドアの隙間から、もう一人の主人公・京野に届く」というシーン。二人は同級生だけど、破いた藤野は成人済で、受け取った京本は小学六年生なので、現実としては起こり得ない感じになってます。だから、願望とも解釈できますが、「願望である」という断定はされていません。

私は、「時空を越えて、過去世界に届いた」と思いました。そして、その解釈が、私は読んでいて気持ちが良いので、そうだと思っています。以下からは、4コマ漫画の1コマ目が別の世界に届いたという解釈で考えたことです。

京本が引きこもり続けた世界。

物語の順序的には、卒業証書を京野に届けに来た時に、なんとなく書いた4コマ漫画が、ふいに落下して、京本の部屋に飛び込んだことで、京本は引きこもりを脱した。実際は、中学校も不登校だったようだけど、藤本と一緒に漫画を描いたり、外出するようになった。

時を経て、藤野が京本を部屋から出さなければ…と後悔した上で、破いた1コマだけが、無人の京本の部屋に飛び込んだ。しかし、その1コマは時空を越えて、6年生の引きこもり時代の京本に届いた。1コマ目が「出てこないで!!」というセリフだったせいか、京本は、本来起きたこと、あるいは別世界の京本とは違い、部屋を出なかった。結果として、小学生の時に藤野とは出会わなかった。

この世界では、藤野が京本の家で4コマ漫画を描くという事象すら発生しなかった。4コマ漫画は、別世界からやってきたモノだと言える。

京本の部屋から出てきた4コマ漫画。

小学生で、藤野と出会わなかった京本だが、大学生になってから、思わぬ形で再会する。そして、その再会をアイデアにして京本が4コマ漫画を描くが、風で飛んだ結果、ドアの隙間から部屋の外に出る。そして、それが4コマ漫画を破いた元の世界の藤野に届く。

ページの流れだけで考えれば、京本の4コマが、世界線を越えて届いた…とも考えられるが、京本の部屋の窓には7枚の4コマ漫画が貼られており、藤野に届いたのは、その中の1枚(もともと8枚貼ってあった)じゃないか?とも思える。

この作品世界には、世界線を飛び越えるような不思議要素はない!と断じるなら、部屋の中から出てきたモノと考えることもできる。ただ、京本の4コマ漫画の内容は、引きこもり続けた京本の世界で起きたことが反映されているので、藤野による空手キックが行われなかった世界で、京本が描いたとしたら、不思議な偶然が起きたと思われるし、それはありえることだと思う。

ところで、京本の部屋から出てきた紙は、4コマのコマ割りだけされていて、「背中を見て 京本」の4コマ漫画の内容は、藤野が描いたという感想もネットで読んだ。それもありえるように思えるが、京本の部屋に貼ってある残り7本の4コマ漫画は絵が入っているように思えるので、コマ割りだけの用紙を窓に貼っていたのか?とは思った。ただし、藤野が描いたという感想は否定するつもりはない。

小学校時代の京本の4コマ漫画と比べると、署名が大きくなっている。それが、彼女が部屋を出て、大学生になり、絵に署名することの自信の現れなのじゃないか?と思った。

では、最初の4コマのドアの下飛び込みはどうだったのか?

私は、最終的に、「京本の部屋のドアは、世界線を飛び越える装置」と解釈して読むことにした。そうなると、最初の世界の最初の時間軸、小6の藤野が描いた4コマ漫画は、実は世界線を飛び越えたのじゃないか?と思った。

これは、まったくもって私の想像であり、最初の4コマが世界線を飛び越えたのを想像させる描写はまったくないし、世界線を飛び越える必然性は全く無いし、京本は普通に4コマ漫画に反応して、部屋から出てくるし、まったくもって「そんなわけない」のことなんだけど、そういう風に想像してみると楽しい。物語の余韻を楽しめる。

様々な解釈。

『ルックバック』の中に世界線を飛び越えるような事象が起きないのであれば、藤野は立ち上がり、漫画を書き続ける世界が続いている。

もしも、別世界もあるのであれば、大学で美術を学び、京本が藤野の漫画のアシスタントをする未来もあるのかもしれない。京本が大学で描いている絵の一部は「チェンソーマン」の背景だったりするので、そちらの世界で藤野×京本のタッグが描くのは、チェンソーマンかもしれない。


色々な解釈ができるというのは、読んだあとに色々なことを考えることができて楽しい。作者に聞いてみれば、正式な設定もあるのかもしれないけど、それを聞くことに意味はないように思える。私は、様々な解釈ができる作品に出会ったときは、「自分が一番気持ち良いモノ」を選ぶようにしている。先日観た、シン・エヴァのラストもそういう解釈をした。

動画でも話してました。

www.youtube.com

この動画を公開したら、チャンネル登録者数減った(´;ω;`)。