大学院卒ニート、しやわせになりたい。

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キノコ夜話、まつたけが嫌いな恋女房~雄々しくて、女々しくて~。

ほんのふとした思いつきで、過ぎ去ってみればほとんど意味はなかったので、失敗してしまったなぁ、と思うところもあるわけですが、晩酌をしつつ、ふと、横恋慕ってわけじゃあないですが、横恋慕って意味は分からないですが、女房に聞いてみた訳なんですよ、と。そう言えば、しいたけってのは、香りもよくて、味がよくて、美味しいものだね、と。

「ええ。香りもよろしいですが、何よりも雄々しいのが私は好きですね。」

なんて言うものだから、安い日本酒を飲んでたってのも、あるかも知れませんが、久方ぶりに私の中で火がついたような気持ちになって、熱燗、ぬる燗を片手にとっくりとキノコの話なんざ、してみようと思ったわけなんですよ。

たしかに立派なしいたけは、男らしいというか、頼もしさを感じる。なるほど、これが江戸の女の感性なのかな、と思いつつ、私はしいたけに嫉妬したわけじゃあないですが、嫉妬って意味が分からないですが、それだったらお前、しめじはどうなんだい、と続けて聞いてみたんですよ。

「しめじもいいですね。味もよろしいですが、立派で、立派じゃなくても、たくさんで、根本は太くて、よろしいですね。」

なるほど、そうきたか。たしかに、味しめじって言葉もあるわけで、そこは否定できない。ぐいっと酒を飲んだりして、たくさんに関して聞いてみたんですが、女房ときたら、ふふふと笑うばかり。私も、ちょっとムキになっていたのか、続けて聞いてみたんですね。じゃあ、えのきはどうなんだいって。

「えのきは、女々しい感じですね。ひょろっと細くて、やっぱり、沢山で。根本は、太いけど、しめじのそれにはかないませんね。」

なんてことを言いやがる。私は、すっかり、熱くなって続けざまに聞いてみたんですよ。じゃあ、お前、アワビは、アワビはどうなんだいってね。

「あなた、アワビはキノコじゃあありませんのよ。」

なんて言いやがるときたもんで。私はすっかり、あの食感、味、てっきり山のものだと思ってましたが、キクラゲの仲間だと思ってたのですが、じゃあどういうことだいと、聞いてみたんですね。

「キクラゲは海のものですよ。ナマのクラゲと書いてキクラゲじゃありませんか。」

と言う。なるほどまいった。やはり、女学生というか、大学を出ている女房にはかなわないなっと思ったのですが、自分が大学院を修了していたことをすっかり忘れていたんですね。もう、こうなったら伝家の宝刀。聞かぬまいと思っていた、聞いたらショックを受けるだろうと思っていたんですが、じゃあ、お前、まつたけはどうなんだい、聞いてみたんですね。

「まつたけ。ああ、まつたけ。あんなものは語るまでもありません。好きじゃあありません。いや、嫌いと言ってしまってもいい。あれは高いから高い、香りも良いと言っているから芳しい。芳しい。臭い。味だって美味しくありませんし、お米ともあいませんしね。ちょっとしたことでにこにこする人には、雄々しく思えるかも知れませんが、私には興味のないかたちです。」

こいつは予想外な答えですね。私は、ちょっと嬉しくなって酒が進んだものですよ。じゃあ、お前、なめこはどうなんだいってキノコは話は尽きないのですが、女房のやつ顔を真っ赤にしてばんばんと叩いてきたりして。一人で盛り上がるのも悪いんで、お前も一杯どうなんだい、と聞いてみたりして。

「明日は早くからゼノギアスをしたいので、今日はもう寝ます。」

なんて言いやがる。惚れちまったってやつなんすかね。恋女房。かなわないかなわない。女にはかなわない。でも、それも、幸せってもんじゃないでしょうかね。私は、そう思いますよ。