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大学院卒ニート、しやわせになりたい。

働かないで、アフィリエイトとか、ユーチューバーで幸せになりたいです。

レッツ・貧困ビジネス!!残り物食堂「昨日の残りは100円均一」~プロジェクトFAX!!

政治・経済 小説 雑記

鎌田堀太郎は悩んでした。三代続いた定食屋を営む彼だったが、売上の不振に悩んでいた。彼の店は、いわゆる下町にあった。高齢化が進み、客に年金生活者が増えたことで、材料の仕入れ値が上がっても、価格は据え置きにしていたが、それも限界にきていた。

改革が必要だ。鎌田堀太郎の挑戦が始まった。


鎌田が先ず行ったのは、リサーチだった。常連客の中で、最近、来なくなった客を業務時間外に個別に訪問してみた。なぜ、来てくれなくなったのか?その理由を知りたかった。鎌田は思っていた。最近は、居酒屋にしろ、牛丼屋にしろ低価格路線が席巻している。もちろん、それは鎌田が太刀打ちできる相手ではなかったが、現状を知ることで、何か打開策を得ようという意気込みは確かにあった。

だが、答えは意外なものだった。鎌田の店のしょうが焼き定食を450円などが高いということは、ある程度想定できたのだが、常連だった男の一人、穂茂田堀史(ほりふみ)は、牛丼291円ですら、まだ高い……と言うのだ。それでは、食事はどうしているのか?穂茂田は、以前は料理が得意な弁護士と付き合っていたが、今は独り身のはずだ。料理ができないから、鎌田の店『定食・鯨』にも足しげく通っていたはずだ。何故なんだ。聞いてみると、更に意外な答えが返ってきた。なんと、穂茂田は自炊しているとのことだった。


「最近は、節約レシピとか、パンを焼いたりとか、アルファブロガー?って人達が面白い情報を発信してくれているしね。」


なんだと!ゆるせん!アルファブロガーめ!死ね!それを聞いて一時は、鎌田は荒ぶり、愛憎も含めて穂茂田をボコボコに殴った。歯が折れ、拳からは血が吹き出した。鎌田と穂茂田の関係はそこで潰えた。厳しい選択だった。落ち着いた鎌田は、その後もかつての常連を回ってみると、鎌田よりも年上の世代も「楽天レシピ」なるものをkoboで見ているとのことだった。恐るべしIT。調理場で豚肉をさばき続けている間に、時代が進んでいたことに、鎌田は愕然とした。

色々と話を聞いてみると、結局は、安い店も多いが、それ以上に自炊、内食の安さに気付き始めた人が多数いた…ということだった。それに打ち勝つには、さらなる低価格路線に進むしか道がないように思えた。

ITには、ITを。鎌田はホコリをかぶっていたWindowsXPを数年ぶりに起ち上げて、業務時間以外は様々な情報を収集することにした。話題になっているWebサービス、グノシーなども大いに活躍した。


そして、行き着いた結論は、常連客を取り戻し、低価格路線を意識しながら、廃棄ロスも少なくする…‥そのような三本の矢のプロジェクトだった。プロジェクト名「昨日の残りは100円均一」。勿論、注文する客に恥辱感を与えないために、注文は小声でひっそりと受け付ける。そして、並ぶメニューも漬物がついてない以外は、全く同じだった。鎌田の側は廃棄ロスが減り、客側は格安で残り物を食べることができる。まさにWin-Winな関係である。

プロジェクトを開始して一ヶ月。常連達も戻ってきて、また、圧倒的な低価格が注目を集め、鎌田はその存在を知らなかったが、食べログなどを見て、新規の客がドンドンと増えている。連日、残り物が売り切れとなった。

鎌田堀太郎の朝は早い。今朝も、明日の残り物の仕込みを開始する。残り物は鮮度が命、今後の課題はより新鮮な食材を集めることだろうか。穂茂田との関係も修復し、鎌田の未来は明るい。次なる挑戦は、既にスタートしているのである。それは残り物が極力残らないように、1日目の定食を定価で販売するという試みだ。ハードルは高い。だが、鎌田の目はもっと遠いところを見ているようだった。