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一族が短命なのは呪いが原因で鯖を食べると延命できると思っていたのだが。

うちの一族は短命だ。短命の呪いでもかかっているのじゃあないかと思えるくらいに。祖父は戦争で死んだが、曾祖父は戦前の人だったが、60の手前にして死んだ。もっとも、その頃は、平均寿命は今とは違うのだが。ただ、一族の家系図を辿り、また、曾祖父から語り継がれている口伝の内容によると、代々短命だったようで、「鯖を食べろ」という遺言が受け継がれている。

私の父も病院で息を引き取る前に最後に発した言葉は「鯖を食べろ」だったし、遺産相続などとは関係ない部分で、遺言書にも「鯖を食べろ」と書かれていた。言われるまでもなく、私は生まれた頃から鯖を食べ続けていたし、一族が短命なのは呪いが原因で鯖を食べると延命できると思っていたのだが。

一族の祖はもとより、鯖に関する遺言を残し始めたのが誰かは分からない。ただ、8代前に「鯖政」という先祖がいたことを考えると、鯖に長寿を託したのは7代目からなのかも知れない。もちろん、当時は青背の魚に含まれるドコサヘキサエン酸等々の知見はなかったので、肉を食べなかった当時は魚は健康の素というイメージがあったのかも知れないし、地元の鯖信仰などとも関係があったのかも知れない。60代で死んだ父は、現代で考えると短命の方だが、鯖により延命されていたのかも知れない。

科学的なことは詳しくは分からないが、現代でも魚は健康のイメージがあるし、私も結婚後も妻に頼んで、1日1回は鯖を食べるようにしていた。しかし、そんな私に衝撃のニュースが飛び込んできた。それは、「鯖ショック!」という衝撃的なヘッドラインとともにやってきた。

ニュースの内容は、かいつまんで説明すると、ある遺伝子系列、家系、例えば花粉症やアレルギーのような感じで、鯖の持つ成分がテロメア等々に影響する…という内容だった。詳しい科学的なことは難しいが、人によっては鯖を食べ続けることで、寿命を司る遺伝子に負の影響が起こりうる…ということだった。同時に、また別の系列にある人は、逆の効果も起こりうる…というモヤっとした感じの内容ではあった。


鯖を目の前にして、ぽかんと口を開けていると、妻がどうしてよいか分からなさそうにしていた。少し考えて、焼き鯖を口に運ぶ。それでも、私は鯖を食べ続けるのだと思う。だって、寿命が延びている可能性もあるのだから。

※この小説はフィクションです。