「見てください、これ。小さいでしょう。これだけ小さくできてるんですよ。」
「ほほぉ、これはシンプルな作りですなぁ。」
「ネットで見かけるのと、全然違いますねぇ。」
「でしょう、でも、そう見えて結構、細かくできてるんですよ。」
「ほほぉ、内部は複雑なんですなぁ。」
「うーん、甘露甘露。」
「では、次は私めが。こちらは、庭に咲いたものです。」
「ほほぉ、これは青い。未熟なんですね。」
「うーむ、瑞々しい。青いというより、幼いという感じですねぇ。」
「そうなんです。まだ食べるわけにはいかないですが、香りなど非常に良いのですよ。」
「なるほど、青臭くもあるが新鮮ですね。」
「うーん、甘露甘露。」
「未熟な、まだ、途中な感じがいいですねぇ。可能性を感じます。」
「では、最後は自分めが。こちらは、散策中に見つけたんですよ。」
「はは、つぼみですな。これは。」
「小さいですねえ。シンプルだ。」
「ネットなどで見かけるものに比べると、随分シンプルですね。」
「小さいけど、花が咲くと複雑でしょう?それが内包されているんですよ。」
「なるほど、可能性ですか。幼い感じが良いですね。」
「うーむ、青臭い。いや、瑞々しいという感じでしょうか。」
「いやー、甘露甘露。」
「どうでしょう、後学のため、少し開いてみましょうか。」
「いいんですか?開いてしまっても。」
「いいですいいです。」
「それは、甘露ですなぁ。」
「よーし!そこまでだ!全員動くな!死ね!東京都青少年育成条例違反の容疑でお前たちを連行する!死ね!」
「「「そんな!私たちは無実だ!ひどいよ!」」」
これが、現代日本の縮図なのです。