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作業員が語る福島第一原発の現実、北島教行さんの講演を聞いて考えたこと。

最初に私の思想的な立場を書いておくと『原発反対派』です。私的には『卒原発』が一番近いかな?と。電力供給に無理のない範囲で、今後100年くらいを見通して、原発を無くして行ったら良い…と思っています。このままズルズルと使い続けて、200年後くらいの未来の日本人に「あほだ」と言われたくない…と思っています。

そんな私が、2013年の京都大学学園祭NFで行われていた教室企画『作業員が語る福島第一原発の現実』を聞いて感じたことを記事にしてみます。書き起こしとかじゃあないので、何か間違いとかがあるかも知れませんが、あればコメントなどで、指摘してもらえれば幸いです。

大飯原発再稼働の時に考えていたこと。

家に帰ってから考えたことですが、私は京都府民です。大飯原発が再稼働する?しない?が話題になっていた時に、ブコメやインターネットの意見で、「再稼働すべし!」という意見を見る度に、「万が一事故が起きた時に、再稼働賛成の人は、謝ってくれるのか?」なんてことを考えていました。

それらの意見が、関西発なのか?東京発なのか?分からないですが。また、仮に大飯原発が事故をおこしても直ちに危険な距離に住んでいる訳じゃあないですが、原発の話題が起きた時に、一番、距離的に近かったように思えます。


以下からは、聞いた講演の内容です。

都市部の反対意見が現場を苦しめている。

私は、原発反対派ですが、デモ等の活動には参加したことはありません。講演の中の「反対派」がどれくらいのレベルを指しているのかは分からないのですが、原発から離れた安全なところからの「原発反対!」声が現場作業員にしわ寄せになっている…という話がショックでした。

例えば、東京電力に黒字が出ているニュースを読んだ時に、「ふざけんな!」という意見をチラホラみましたが、あの黒字は、設備の補修などが先送りされたり…という内容も含まれてました。その黒字の内訳に入るか分からないですが、作業を急がされたり等々の中で、作業員の装備品にかけられている経費が削られている…というような話もありました。


汚染水のタンクが漏れた!というニュースを読んだ時に、タンクをしっかり施工すべき!とか思っても、実際の現場では作業時間が増える度に被爆線量が増えていく、日常とは違う作業現場であることも、私の意識の中にはなかったです。

極論すると…。

私は、戦争反対の立場です。なので、例えば「憲法九条改訂」に関しても、護憲の立場です。その中で考えるのは、仮に九条を改訂して、先制攻撃や戦争が出来る状態になるとしたら、戦場に行くのは、自衛隊員(その時は国防軍かも知れませんが)…という意識じゃあなくて、自分や、自分の子供達、親戚等々も含めて考えないといけない…と思っています。まぁ、私は独身ですが、私も、私の子どもも、戦争には行きたくない、行かしたくないので、戦争反対の立場です。

ちょっと話題がそれましたが、講演の内容でも「原発反対なら、廃炉を唱えるなら、自分も原発作業員になることを考えてください」ということでした。勿論、それは極論なのですが、自分は現場には行かない…という大前提で発せられる意見が、現場作業員を危険にさらしかねない…というのは、ショックでした。作業員は無敵…というイメージすら、無意識下にあったかも知れません。


実際、作業をしている人の中では、「もうストライキしたらどうなるだろう?」みたいな意見も(実行されるかどうかは別として)出ているみたいで、一週間くらい福島の原発が手付かずになると、かなり危険な状態になるみたいです。

では、絶対にストライキするな!と言えるのか?彼らも労働者であり、少ない賃金での危険な労働を強いることができるのか?という部分も、考えさせられました。

※このあたりで会場がヒートアップして、「作業なんか放棄して再臨界して皆で滅べばい良い!でも、その場合でも東京電力の上層部に現場に行かせて…」みたいな意見が怒号に近いような感じで、一人の男性が意見が述べられて、退室されたようでした(怖かった)。

日当の話。

賃金の中抜きは有名な話ですが、拘束時間が13時間で、1日の日当が6000円とか、あるみたいです。被曝量の関係で、作業時間は2時間程度だったりするみたいですが、6000円という金額もショックでした。

賛成も反対も「都市」の意見。

インターネットで発せられる意見がどれくらい都市部の人のよるものか分からないですが、原発がある地方に対して、都市部からの発信は、賛成でも、反対でも、「現地にいない」という意味で一緒のようです。

そして、今後の原子力政策のあれこれが議論されたりして、むこう40年くらいは福島の原発処理は続けないといけない訳で、都市部の意見で、作業に影響が出るのは、困るそうです。

最近、燃料棒回収が始まりましたが、講演の中で、「現場の作業員としては急いでやりたくない。」という話も出ました。理由は勿論、危険だからです。そして、当初の予定や、計画の急ぎ具合は詳しくは分からないですが、今現在、一番影響が大きいのは東京オリンピックのような気がします。これは、講演内容ではなく私が考えたことです。

賛成派と反対派の分断。

私は詳しくはないですが、大飯原発の再稼働が議論になった時に、反対派の人が、現地住民に聞き取りをして、住民を反対派、賛成派に二部したことも、精神的にきつかったそうです。

原発利権、原発産業という言葉もありますが、原発に関わって仕事をしている人、していない人、賛成の人、反対の人、みんな一緒に地域に住んでいるのに、外からの意見で住民が分断されたのが、きつかったそうです。

反対派の活動に詳しくないですが、そのようなことが行われたのもショックでした。

大多数の都市部とマジョリティーとしての地方。

民主主義、多数決の暴力性に関しても話がありました。原発があるからご飯を食べれたのでしょ?とか言うと元も子もないですが、地方に原発があるのはなぜか?は、人口が集中している都市部が多数決的に強い…ということが話されました。

沖縄の基地問題も、本土に基地を分散じゃあなくて、沖縄のウェイトが高いのは、マイノリティーとしての本土と、マジョリティーとしての沖縄があるのかも知れません。

本当に原発が安全・安心であるならば、海沿いであっても、東京に作られないのはなぜか?万が一事故が起きた時の被害が甚大…と考えるのであれば、それが地方にあるのも、同じじゃないか?と思えました。


この中で、都市部から「賛成!」「反対!」と唱えても。反対を唱えても、原発で発電される電力の恩恵を受けていたことを考えると、私の場合は、大飯原発の電気を使ってましたから、責任の一端をになっている…ということになるそうです。

ただ、言い訳かも知れないですが、「生まれる前から原発あったし」、「関西電力以外に電気を買う選択肢がないし」、「少なくとも2011年以前は、核廃棄物の問題はあったとしても、原発で事故は起きないと思っていたし」…という反論にならない反論はありました。先述した怒号を発した人も、そんな感じだったのかも知れません。

そもそも差別が前提の発電。

私は、父親が電力関係の仕事をしていたので、うっすら聞いたことがありますが、例えば、メンテナンスにしても、年間被曝量が決まっているから、色々なところから労働者が集められて、決まった時間ネジを締めて、交代して…みたいな話を聞いたことがあります。

そして、年間被曝量の限界に達した人は、1年立つまでは作業できないはずだけど、その辺が有耶無耶にして、被爆量的にはNGラインに突入して働いている人がいると聞いてました。

東日本大震災の後も、線量計に鉛のカバーがされて、数値の誤魔化しがあったとか、色々とあったように思えます。例えば、印刷産業でも危険な薬剤の問題とかありました。居酒屋の労働で過労死する人もいます。原発に関わらず、過酷な労働というのは、社会の前提としてあるのかも知れません。

しかし、それでも原発のことだけを考えると、被爆を前提とする仕事。そして、それに従事する人は、金銭的にも待遇的にも冷遇される…という仕事は、本当にそれで良いのか?と思えました。


講演が終わった後に、知り合いと話したのですが、原発を存続させようとする大きな理由の一つに「電気料金」がある…という話がでました。安い電気、経済発展、それらを支えるために過酷な労働があったことに対して、無自覚でした。

世の中は、原発に限らずそうである…と割り切ってしまえば、そこまでなのですが、自分が死ぬ頃の未来、死んだ後の未来まで考えると、せめて、もっと理想的な状態に目指す意思ぐらい残したい…と思いました。

詰んだ。

以下は、以前書いていた日記です。

なぜ、ここで「日本がオワタ」という文言を使ったか?というと、講演を聞いて直後に感じたのが「詰んだ」ということだったからです。勿論、現場作業員の苦労などを全部無視したら、40年後くらいには、福島第一原発は、完全に処理が終わるのかも知れないですが、知ってしまった以上は、問題意識から外して考えられないと思います。

廃炉の技術が確立されてない。

講演の中であった話題です。廃炉とは、原子力発電所を更地まで戻すことで、放射能で汚染されたモノは完全に処理して…という状態だそうです。私は、その辺りの知識がないのですが、事故があろうがなかろうが、老朽化すればいずれ廃炉にする必要があるのに、その技術が確立されてないとは、詰んだ…と思いました。

また、現在、日本中にある原発を廃炉にするには、作業員が足りないとかの理由で、500年じゃあすまないそうです。詰んだ…と思いました。この辺は、講演のラストの方で、疲れて聞いていたので、数字とかは、ちょっとあやふやです。

また、福島の現場でも、経費節減の関係で熟練の作業員が現場から外される等々が起きているのを聞くと、ここにきてお金の問題で…と思うと、それも、何かが詰んでしまったように思えます。

最後に考えたこと。

私は、都市部じゃあないですが、原発に離れたところに住む身です。そして、作業員として福島の現場に行くことはできないでしょう。行きたくないからです。だけど、やはり、原発に反対の立場をとります。勿論、反対であれ、賛成であれ、福島でこの先40年くらい行うことは変わらない訳ですが…。

だけど、原発から離れたところから発せられる意見が、作業現場に悪い影響が与えることがあるなら、思うことは、安全に、急がず、金銭面などちゃんとした待遇で作業がされることを望みます。また、東京電力の責任の下で行われるのに限界があるならば、国の事業として、行われて税金が高くなっても良いです。関西の電気代が上がっても良いです。

そんな風に考えました。年末にやる芝居の中で、原発っぽいエピソードをやろうと思っていたのですが、それに対する取り組み方も変わってしまいそうです。勿論、知識と意識が少ない中で、安易にネタにするよりは、ずっと良かったですが…。

異論・反論がありそうな気もしますが、ここにブログ記事として公開しておきます。